
江戸時代に庶民(町人・百姓)は名字がなかった。
武士や明主などしか使っていなかった。
昔、歴史の授業でそう教わった人も多いのではないでしょうか。
でもそれは大きな語弊があって、名字がなかったのではなく、江戸幕府の政策で名乗るのを禁止にされ、
庶民でも特別な人(医者や商人)しか使えなかったので、名字がなかったと誤認されてる事が多いです。
実際には、室町時代から農民も名字があり、身分関係なく誰でも使っていました。
ほぼあてはまる名字のルーツ
1.地名
最も多いルーツは、地名をもとにした名字が多いです。
2.地形や風景
地形は風景も地名の次に多いです。
『山』に囲まれ『谷』で『川』を使い『田』で『稲』を作り『米』を収穫した。
などの風景でさまざまな名字が生まれます。
3.職業
就いていた職業によって名字ができた人います。
8世紀の大和王権で仕えた職業がもとになっています。
番犬・猟犬を飼った『犬飼』
鳥や鵜を飼って『鳥飼』『鵜飼』
機織(はたおり)『錦織』『服部』
などの由来があります。
世界を見ても欧米でも職業に由来する名字は多いです。
仕立て屋=テイラー
粉ひき=ミラー
家事屋=スミス
4.方位・方角
その土地の領主が基準になる傾向が多く領主から西の方角に川があれば『西川』山があれば『西山』田があれば『西田』が多く、
北の沢の方なら『北沢』遠い山なら『遠山』『遠野』などの由来になります。
5.下が『藤』
下に『藤』がつく苗字は平安時代の藤原家に因んでることが多いです。
当時の朝廷は藤原一族が仕切っていました。
貴族たちは屋号を名乗りましたが、中・下の官僚たちは役職を名字としていましたが、それでは藤原一族が埋もれてしますことを恐れ、新しい名字に『~藤』を名乗りだしました。
うえに『藤』がつく場合は植物の由来が多いです。
その他の由来
由来としては少数ですが、殿様などから苗字を頂いたりするケースもありました。
あの有名な、徳川家康公も名字を与えるのが好きだったらしく、戦の功労や忠誠の証として『松平』を多く与えています。
僧侶も特殊で、戸籍を登録するようになった明治時代から名字をつくりました。
(俗世を捨てたので名字も捨てていた為)
仏教用語から釈迦に因む『釈』などがあります。
浄土真宗の、東本願寺・西本願寺も親鸞(しんらん・日本の浄土真宗の宗祖)の庵があった地名から『大谷』を名字にしています。
地方で読み方や漢字が違う
大雑把に西と東の地域で比べてみるとさいとうの感じもちがいます。
西=斎藤
東=斉藤
の漢字が多くみられます。
『東』の読み方でも
西は『ひがし』
東は『あずま』
と読むことが多いです。
上に関しても
西は『うえ』 上村=うえむら
東は『かみ』 上村=かみむら
が主流です。
谷のよみは東や北に行けば行くほど『や』と読むことが多くなります。
同じ名字でもルーツは一緒ではない
同じ名字でも血縁や地縁が無い方が多く、ルーツが一緒のほうが稀です。
名字の多くは地名や地形なので同じような名字は付きます。
木の下に住んでいたから木下など親戚でも同郷でもない事の方が普通です。
自分を証明する名字も深い歴史のルーツがあります。
色々としらべてみると感慨深いものがあります。