
大阪大学の研究チームがiPS細胞を使って心臓病の心不全を治療する世界初の臨床研究の実施を学内の審査委員会に申請しました。
iPS細胞ってなに?
iPS細胞は2012年にノーベル生理学賞・医学賞を受賞した
山中伸弥教授が開発しました。
日本語で言うと人工多能性幹細胞
(じんこうたのうせいかんさいぼう)
多能性 いろいろな細胞に変化できる
幹細胞 いくらでも増えて、他の細胞にもなれる
英語だとinduced pluripotent stem cells
(略してiPS)
すごく簡単に言ってしまうとiPS細胞は『いろんな細胞に変化できて、いくらでも増やせる細胞』なのです。
これは凄いことですよね。
どんな細胞にでも変化できるなら、手足や角膜などの細胞もなれる訳ですから。
ですが現在では『将来的にはそういう希望もある』という話で、まだまだ研究と臨床実験が必要状況です。
心不全とは?
心臓病で亡くなっている人数は年間20万人弱で、がんに次いで死因第2位の病気です。
そして心不全という名は、みなさん良く聞く病名だと思います。
心不全
心臓の動きが弱くなることで心臓のポンプとしての働きが低下して充分な血液を体に循環させることができない病気です。
そして心臓だけでなく全身にもいろんな症状が現れます。
疲労感、脱力感、動悸、息切れ、むくみ、めまい
心臓を患うと本当に一般生活に支障がでます。
食べ物、飲み物、薬の制限や制約ができてしまいますし、
動悸やめまいなどは、いつ起きるか分からないのでビクビクしながらの生活を送らなければいけません。
それをiPS細胞が救う
そして大阪大学の澤芳樹教授(心臓血管外科)らのグループが前例のないiPS細胞を心臓の患者に応用する計画を申請しました。
iPS細胞から心筋細胞をつくり、それを厚さ0.3㎜、直径およそ5㎝のシートに状にして心不全の患者にはり付けて移植します。
厚生労働省の了承が下りれば2018年の前半には手術がはじめられます。
澤芳樹教授は『一刻も早く重症心不全で苦しまれている方々を助けしたい』との発言をしています。
心不全を患って苦しんでいる何万人もの方達には朗報中の朗報ですよね。
科学、医学の進歩はここまできたんだな~と思いました。
山中伸弥教授が発明したiPS細胞によって医学の可能性が1つ大きな希望になりました。
極論でいえば、iPS細胞があればどんな病気や、どんな怪我も治るんです。
臨床実験や倫理的な問題、越えなければならない問題はなかなか険しいですが、どうか乗り越えてもらいたいものです。